+Graphysm

人間の原初の創作行為であるグラフィティー「描きしるす」から発生したアート。「+Graphysm」は、商業施設やオフィスなどの空間計画に アートを導入し、ブランド化する、一連のデザイン戦略です。戦略的空間におけるアートというソリューションを「空間創りのプロフェッショナル」の方々と共に実現するプロジェクトとしてスタートしました。私たちが提案するのは、特定ジャンルの作家や作品ではなく、ニュートラルな視点で空間とアートの融合を最適化すること。自主プロジェクトとして10年以上現代アートのギャラリー「void+」を運営してきた中で蓄積したアートティストとのネットワークと、20年以上に渡る豊富なグラフィックデザインの実績を基に、新しい価値ある「空間」の実現を目指します。

CASE STUDY

プラスグラフィズムが提案する「アートのある空間」における「デザイン展開」を理解していただくために異なる3つの空間「オフィス、ショップ、カフェ」を想定し、それぞれの空間で使われると思われるアイテムにデザイン展開した事例をご紹介します。※2018.7.20 – 8.31 +Graphysm展『空間におけるアートの存在と、その連動』より

CASE STUDY 1“Office”

J.S.Bach 1620 x 1303mm, 2015 アクリル、カンヴァス

ある企業のロビー空間に展示された宮嶋葉一の「J.S Bach」。一見すると日本美術のようなシンプルで力強い筆触の白と黒の絵画。しかし、モチーフの輪郭を描く黒い帯の中には色彩感覚を狂わすような紺が、そして、バッハの頬を染める淡いピンク、頭部にかかる微かなブルー。それらの要素を名刺やDM、ステーショナリーなどのアイテムに展開。宮嶋の「J.S Bach」は、企業の理念をより鮮明に、簡潔に印象付ける。

ARTIST
宮嶋葉一 Youichi Miyajima
画家。具体的な対象をモティーフに簡略化された線と強いストローク、対象に意味を持たせないスタイルが特徴。簡素化された構造と内包するユーモアのセンスが楽しめる作品を一貫して制作。

CASE STUDY 2“Shop”

布袋―複製 760 x 260 x 200mm, 820 x 260 x 200mm, 810 x 260 x 200mm 3点組, 2012 アクリル板、置物(鉄鋳物)/扮する人-幼児1 250 x 80 x 50mm, 2017 アクリル板

カラフルなストライプが印象的な布袋像はショップ空間に楽しさと革新性を与える。布袋像の頭と胸と下半身を三等分、全体をCTスキャンでトレースしたようなアクリル板を積み重ねて三体の布袋像に作り上げる。同じ部分のアクリル板を二枚、三枚と増やすことで、それぞれの布袋像の部位が伸びたり、歪んだり。そのポップな色彩と形状、内包された作品の持つ意味をデザインエレメントとして昇華させた。

ARTIST
袴田京太朗 Kyotaro Hakamata
彫刻家。伝統的な形式の彫刻から距離を取りながら、空洞性、複製性などのネガティブな要素を掘り下げることで彫刻の本質に迫る。近年では、色とりどりのアクリル板を積み重ね、特異な形態を生み出すシリーズで注目を集めている。

CASE STUDY 3“Café”

色彩の下 2560 x 2400 x 45mm, 2018 油彩、水彩、カンヴァス

内海聖史は、絵の具の色の美しさ、楽しさを表現するために、その空間と絵画の関係から考えを始める。丸いドットは重なり、滲み、流れ、それらはカンバスの存在を乗り越え空間全体に溢れ出す。カフェの壁一面を覆う内海の絵画は、森の中に見え隠れする果実のような紫、橙、桃、等々。ショップで使われるカップやコースター、商品パッケージなどに展開された色の粒は、デザインとして象徴化され、表面張力によりリズミカルにダイナミズムを形成する。

ARTIST
内海聖史 Satoshi Uchiumi
画家。精緻で美しい色彩のモチーフを積み重ね、大小様々な色面を編み上げた作品で知られる。その展開は単なる平面にとどまらず、支持体の組み合わせで空間を縦横に再構成し、身体との思いがけない関係性を感じさせる。

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